家計簿上での高額出費費目(特別項目)計上方法

検討の経緯
  • 家計簿上にて、高額出費(車検費用、車本体費用、耐久家電等、数年に1度の高額出費)をどのように記載すべきかのメモ
  • 数年に1回の高額出費=特別項目の記載方法は、一般に以下の通り
    • 単純に、発生月にそのまま記入計上する
      • 単純に普通の記載方法
      • ただし、高額出費が発生する月(又は年)と、発生しない月(又は年)で比較しにくい
        • 費目を特別項目として分離し、特別項目を非表示/集計範囲外にすれば、高額出費が発生した月(又は年)を含めて比較可能にはなる
        • ただ、分類外とした特別項目自体の、費用取り置き等、別途収支管理が必要
        • 特別項目一つに纏めてしまうので、その中身の内容が分からなくなってしまう
          • 車検/車購入等は車関係で、住宅修繕/賃貸更新費は住宅関係で、家電耐久品は家電関係等、それぞれ年数も種類も異なるが、特別項目一つに纏まってしまう
          • 車特別項目、住居特別項目、家電特別項目等、分ければいいが、費目が増えすぎてしまう
    • 発生月に1回で計上せず、使用する月年数で分割して計上する
      • たぶん減価償却のような考え方で、たぶん複式簿記の様な考え方、と思う
      • ただ、この考え方で家計簿を記述すると、
        • 無駄遣いは減る
        • 次の高額支出の費用が貯められる、
          ということが分かった気がしたので、感覚的に理解した範囲で記載した

※私自身は簿記資格を持っていません。よって、本稿は正確さにかける内容の可能性が高いです。正確さを求める内容の参考にしないでください。
※本稿は、素人が試行錯誤して個人の家計簿に反映しようとした内容です

家計簿上での、高額出費(特別項目)記載方法

※本当の減価償却の年数/費用は、省令で決められているらしいですが、個人の家計簿記載なので、勝手に自由に決めています

分割計上すると、無駄遣いしにくくなる、という記載例 (自動車税(2年に1回の出費)の例)

  • 前提条件として、
    • 毎月収入30万、毎月支出25万、
    • よって、月間収支は、+5万。
    • つまり、1年で+60万、3年で+60+60+60=180万
      貯まる家計があるとする
  • よって、この家計の3年間の収入/支出は以下の表のとおりになる
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年間
総計
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年間
総計
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年間
総計
収入303030303030303030303030303030303030303030303030303030303030303030303030
一般
支出
252525252525252525252525252525252525252525252525252525252525252525252525
当月
収支
555555555555+60555555555555+60555555555555+60
  • ここに、2年に1回、6月に、18万の車検がある場合を考える

単純に支払当月に計上する場合

  • 単純に、2年に1回、6月に、18万の車検費用を計上するので
    (又は、特別費用項目として別枠で計上する場合もあるが、いづれにせよ)、
    • 1年目は6月に、18万の出費が追加で、+42万の黒字、
    • 2年目は、+60万の黒字、
    • 3年目は6月に、18万の出費が追加で、+42万の黒字となります
  • よって、3年で42万+60万+42万で、144万貯まることになります
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年間
総計
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年間
総計
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年間
総計
収入303030303030303030303030303030303030303030303030303030303030303030303030
一般
支出
252525252525252525252525252525252525252525252525252525252525252525252525
車検費用
(特別費用)
1818
当月収支55555-13555555+42555555555555+6055555-13555555+42
手元残高 510152025121722273237424752576267727782879297102107112117122127114119124129134139144
  • ただし、上記は、検討のために連続で36か月分を記載していますが、普通は、1年経過したら(例えば年末に)1年単位でまとめて比較するでしょう。
  • つまり、1年目の年間総額は、年末に以下にまとめられるでしょう
1年目
年間総計
収入360
支出318
年間収支+42
  • そして、その1年後には、2年目として、以下にまとめられるでしょう
1年目
年間総計
2年目
年間総計
収入360360
支出318300
年間収支+42+60
  • すると、この表だけで年間収支を見たとき、2年目末日には、
     「去年の黒字42万に対し、今年は60万も黒字で、18万も多く貯金できた(←?)
      年末に10万奮発して使っても去年より貯蓄できそう
     と錯覚しがちです
    (2年目12月に10万の無駄遣いを発生しがち)
    • そんなことはない、車検費用と認識しているから無駄遣いしない、と思えればいいですが、実生活上毎日忙しい状況で、1年も前のことを覚えていれるか/この種の費目は車検だけでなく、家電電化製品、車、住宅修繕/賃貸更新費等、耐用年数も異なるそれぞれを覚えていることができる人は、そもそもこんなページ見てないと思います…
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年間総計1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年間総計1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年間総計
収入303030303030303030303030303030303030303030303030303030303030303030303030
一般支出252525252525252525252525252525252525252525252525252525252525252525252525
車検費用1818
無駄遣い10
当月収支55555-13555555+4255555555555-5+5055555-13555555+42
  • そうなると、
    • 1年目は、42万の黒字、
    • 2年目は、50万の黒字、
    • 3年目は、42万の黒字となり、3年で42万+50万+42万134万しか貯まりませんでした
      (錯覚して10万無駄遣いしました)
1年目
年間総計
2年目
年間総計
3年目
年間総計
収入360360360
支出318310318
年間収支+42+50+42
結果
  • 高額支出を単純に記載すると、高額支出がない年は、無駄遣いしやすくなります
  • なお、当初の無駄遣いしない場合の各月の現金残高を注目するとして、再掲します(次項の比較のために記載)
    • 1年目手元残高は、42万
    • 2年目手元残高は、102万
    • 3年目手元残高は、142万
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年間
総計
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年間
総計
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年間
総計
収入303030303030303030303030303030303030303030303030303030303030303030303030
一般
支出
252525252525252525252525252525252525252525252525252525252525252525252525
車検費用
(特別費用)
1818
当月収支55555-13555555+42555555555555+6055555-13555555+42
手元残高510152025121722273237424752576267727782879297102107112117122127114119124129134139142

分割記載する場合

  • 一方、実際には現金一括で支払っていますが家計簿上では、車検費用(18万)を、次回(24か月後)までの分割(18万/24か月=0.75万/月)で計上すると以下の通りになります
    • 各月の家計簿記載については、
      • 1年目6月~3年5月までの24か月間、0.75万/月の分割記載
      • 及び、3年目6月~5年5月までの24か月間、0.75万/月の分割記載
    • ただし、実際には、6月に18万の車検費用を現金で一括支払っているので、
      • 1年目6月の手元残高は、12万で、12月年末の手元残高は42万
      • 2年目12月の手元残高は、102万
      • 3年目12月の手元残高は、142万
        と、家計簿上の数字と、実際の手元残高が異なることになります
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年間
総計
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年間
総計
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年間
総計
収入303030303030303030303030303030303030303030303030303030303030303030303030
一般支出252525252525252525252525252525252525252525252525252525252525252525252525
車検費用
(帳簿上の分割記載)
0.750.750.750.750.750.750.750.750.750.750.750.750.750.750.750.750.750.750.750.750.750.750.750.750.750.750.750.750.750.750.75
当月収支555554.254.254.254.254.254.254.25+54.754.254.254.254.254.254.254.254.254.254.254.254.25+514.254.254.254.254.254.254.254.254.254.254.254.25+51
手元残高510152025121722273237424752576267727782879297102107112117122127114119124129132137142
  • さてこの場合、家計簿上の 年間収入-支出は、
    • 1年目は、+54.75万の黒字、
    • 2年目は、+51万の黒字、となります
  • ただし、再記述ですが、年末手元残高が、年間収入-支出と一致しません
    • 1年目は、家計簿上では+54.75万の黒字で計算上は期初0万+年間収支54.75万=54.75万だが、年末手元残高は42万で一致せず
    • 2年目も、家計簿上では+51万の黒字で計算上は期初42万+年間収支51万=93万だが、年末手元残高は102万で一致せず
1年目
年間総計
2年目
年間総計
収入360360
支出305.25309
年間収支
(分割記述)
+54.75+51
年末手元残高42102
  • とはいえ、この年間収支まとめ方であれば、2年目末日に、
    「去年の黒字54.75万に対し、今年は51万の黒字
     無駄遣いしようとは思わない」
    となるでしょう
  • 下記、単純記述と比較の通り、2年目は18万も多く貯金できたと錯覚しにくいでしょう。
1年目
年間総計
2年目
年間総計
収入360360
支出305.25309
年間収支
(分割記述)
+54.75+51
年末手元残高42102

←記述違い比較→

1年目
年間総計
2年目
年間総計
収入360360
支出318300
年間収支
(単純記述)
+42+60
年末手元残高42102
結果
  • 高額支出を分割記載することで、単年度比較する際に錯覚することなく、無駄遣いしにくいといえるでしょう
  • 一方、家計簿上の、年間収入-年間支出、が、実際の手元残高と異なることになります
    • 現在いくら手持ち現金残金を把握するには、別の方法で把握する必要があります
      • 例えば、私の場合は、マネーフォワードの一括更新で把握しています
  • なお、この記載方法で記述して赤字にしないだけで、次の高額支出をためることができるような気がします(次項に記載)

次の高額支出費用を貯めることができる例 (車両300万で100か月(8年4か月)に1回購入する)

  • まず、
    • 手元に300万現金があり、
    • 月間収支3万の黒字で、
    • 300万の車を買うことにする
    • なお、100か月後に、再度、車を買い替えたい計画とする

単純に支払当月に計上する場合

  • 単純に1年目だけ車両費を一括記載するので、1年目のみ以下の通り年間収支が-264万で、手元現金は36万
繰越1月目2月目3月目4月目5月目6月目7月目8月目9月目10月目11月目12月目年間総計
収入303030303030303030303030
一般支出272727272727272727272727
車両費用300
当月収支-29733333333333-264
現金300369121518212427303336

年間収支としては以下の通りで、
 1年目のみ、300万現金一括で購入して-264万で赤字で、
 以降は年間+36万の黒字で現金残高が増え続け、
 8年4か月(100か月後)で、再度、手元現金が300万貯金される

1年目
年間総計
2年目
年間総計
3年目
年間総計
4年目
年間総計
5年目
年間総計
6年目
年間総計
7年目
年間総計
8年目
年間総計
8年+4か月
総計
収入360360360360360360360360120
支出624324324324324324324324108
年間収支-264+36+36+36+36+36+36+36+12
現金残高3672108144180216252288300

ですが、こちらも同様に、5年目以降などから、
 「毎年36万黒字なので、多少(5万)使っても、31万も貯蓄できる」
 と錯覚して、追加出費(無駄遣い)してしまいがちで、
 5年目以降に5万づつ無駄遣いしてしまえば、
 100か月後に、手元現金で280万しか貯蓄できず、再度300万の車を購入することができない

1年目
年間総計
2年目
年間総計
3年目
年間総計
4年目
年間総計
5年目
年間総計
6年目
年間総計
7年目
年間総計
8年目
年間総計
8年+4か月
総計
収入360360360360360360360360120
支出624324324324324324324324108
追加無駄遣い支出5555
年間収支-264+36+36+36+31+31+31+31+12
現金残高3672108144175206237268280
結果
  • 年間収支がプラスなので貯金できているように見えますが、100か月後に目標の300万が達成できていません

分割記載する場合

  • 同様に、現金一括で支払った車両費用(300万)を、次回(100か月後)までの分割(300万/100か月=3万/月)で計上すると、1年目は以下の通り
繰越1月目2月目3月目4月目5月目6月目7月目8月目9月目10月目11月目12月目年間総計
収入303030303030303030303030
一般支出272727272727272727272727
車両費用(帳簿上の分割記載)333333333333
当月収支0000000000000
車両費用(実際の支払額)300
手元現金300369121518212427303336
  • 記載の通り、毎月、収入は30万、支出は27万+3万、で、当月収支はプラマイゼロ
    年間で見ても、プラマイゼロです。ただし、手元現金は36万になっています

これを年間で記載すると、
 1年目は年間収支はプラマイゼロ、ただし、期末の手元現金は36万になっている、
 2年目も年間収支はプラマイゼロ、ただし、期末の手元現金は72万になっている、
 5年目でも年間収支はプラマイゼロ、ただし、期末の手元現金は180万になっている、
 となり、
 100か月まで、毎月の収支はプラマイゼロだが、100か月後の手元現金は300万になっている、のです 

1年目
年間総計
2年目
年間総計
3年目
年間総計
4年目
年間総計
5年目
年間総計
6年目
年間総計
7年目
年間総計
8年目
年間総計
8年+4か月
総計
収入360360360360360360360360120
支出324324324324324324324324108
車両費
(帳簿上の分割記載)
363636363636363612
年間収支+0+0+0+0+0+0+0+0+0
現金残高3672108144180216252288300
  • よって、この年間収支まとめ方であれば、4年目末日であっても、
    「毎年、年間収支がプラマイゼロ。無駄遣いする余裕はない」
    と思うでしょう
  • 下記、単純記述と比較しても、錯覚しにくいでしょう。
3年目
年間総計
4年目
年間総計
収入360360
支出324324
車両費
(分割記述)
3636
年間収支+0+0
現金残高108144

←記述違い比較→

3年目
年間総計
4年目
年間総計
収入360360
支出324324
車両費
(単純記述)
0
(1年目のみ記載、
以降はゼロ)
0
(1年目のみ記載、
以降はゼロ)
年間収支+36+36
現金残高108144
結果
  • 不思議なことに、この記載方法で家計簿を管理すると、毎月赤字にしないだけで、次の高額支出をためることができるような気がします

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